社会的な心理考察記

社会に働く心理について考察したブログです。

2015-04-01から1ヶ月間の記事一覧

業務の閑散に応じ労働基準法を取り払うと、残業代ゼロ法案が登場する

前回は、業務の繁忙、閑散について、繁忙期に易々と人を増やすことが非正規雇用増加の一因になることを述べた。今回は、業務の繁忙、閑散に対して、労働基準法で週5日、毎日8時間の労働が規定されていることの問題を述べたいと思う。 週5日、毎日8時間と…

業務で生じる繁忙、閑散に対しては、非正規雇用が不可欠なのだろうか

このタイトルも、仕事している方にはピンとくるのではないかと思う。個人的には、労働における深いテーマだと思っている。 日本では4月で年度が切り替わるため、3月から4月にかけては人の採用や会計の決算などの業務が増加する。これが繁忙期である。 し…

自己研鑚の時間がなんで労働時間から外されるのか、全く理解できない

日本の会社においては、一定の行動について、何かにつけて労働時間から除外して給与や残業代を支払わない、という流れを作りたがる。これは異論の余地がないところだろう。 この一定の行動というのが、挙げていけばおそらくキリがない。今回はその中でわかり…

業務上の支障が明確にないなら、有給休暇は無条件で認められるべきだ

おそらくこの話は、大多数の人から賛同を得られる話ではないだろうか。有給休暇は労働者の福祉のため、所定の休日以外にも付与されるものである。そして病気等による休暇とは異なり、労働者の自由意思で取得できるものとなっている。それだけで、有給休暇を…

有給休暇を取りやすくする、組織としての心構え

昨日の内容は、有給休暇の取得という根深い問題だったからか、数多くのはてなブックマークを頂いた。対応圧力のほかに同調圧力の存在など、様々なご意見を頂けたことを感謝申し上げたい。(ご意見に基づいた考察は追って述べたいと思います。) 今回はひとま…

部活動の全員加入について

<a href="http://bylines.news.yahoo.co.jp/ryouchida/20150424-00045095/" data-mce-href="http://bylines.news.yahoo.co.jp/ryouchida/20150424-00045095/">部活動 「自主的」なのに「全員加入」 全国の学校で長年つづく“制度違反”(内田良) - Yaho…

有給休暇が取りづらいのは、日本人の対応圧力の強さが原因じゃないか

日本人の対応圧力の強さ-この言葉からは、どのような内容を想像できるだろうか。日本人の精神に巣食う重大なものとして、対応圧力について今回は述べてみたいと思う。 この対応圧力というのは、「相手の対応を求めて圧力をかけること」をイメージした言葉で…

他人の意思を勝手に推し量る考え方が、社会を残念なものにする

やりがい論と併せて、題目のことにも触れてみたい。 「個人の意思で決めることを他人がとやかく言う」この構図は、やりがい論に限らず他の場面でもしばしば生じているように思える。 この構図がきわめて端的に表れるのは、やはり結婚の話だろう。 結婚はもち…

「やりがい論」の先に、やりがいのない仕事をする人への蔑視がある

しつこいくらい「やりがい」について述べているが、今回も続けて述べさせていただきたい。しかも長文になるがご容赦を。 前回まで、やりがいは他人がとやかく言うものではなくて、日本人はやりがいの概念に囚われすぎている、ということを書いた。 ここで、…

「やりがい」は個人が感じるもので、他人がとやかく言うものではない

前回は、欧米の感覚からやりがいというものについて考えてみた。そして、日本人はやりがいという概念に囚われ過ぎているのかもしれない、という一つの視点を提起できたと思う。 そして今回は、「用法」の切り口でやりがいという言葉を考えてみたい。 世の中…

欧米では「やりがい」という考え方はあまりないんじゃないだろうか

ここまで、やりがい搾取の理屈について書いてきた。 書いてきて思ったのだが、「やりがい」という言葉はなんともつかみどころのないものである。 日本の家庭では、「お父さんの仕事はやりがいがないよ」などと言ったら、子供が泣きそうだ。泣かないにしても…

消費者トラブルにも似たやりがい搾取(後編)

前回は、ルーチンワークに「やりがい」のラベルを貼ることは消費者トラブルにも似た、詐欺まがいの話とも言えることを書いた。 さらに問題になるのが、力関係の差だ。 消費者トラブルでは、近年は消費者の立場が明らかに向上しているように感じる。 昔は、店…

消費者トラブルにも似たやりがい搾取(前編)

前回までの内容で、やりがい搾取についての全体像が整理できたと個人的には思っているのだが、皆様はどうお感じだっただろうか。 今回は再び、「やりがい搾取」の定義における前半部分へ話を戻してみたい。 実際はルーチンワークであるのに、やりがいを吹聴…

やりがい搾取の仕組み(後編)

前回、ブラック企業などはやりがいを吹聴することで、労働者に過重な労働を負わせることを書いた。そして、過重な労働を負わせるうえに給与まで削減するということも行われる。 しかし、なぜこのようになるのだろうか。やりがいの吹聴で過重な労働を負わせる…

やりがい搾取の仕組み(前編)

まず最初に、脱社畜ブログの内容をはじめ日野氏の主張の屋台骨になっている、「やりがい搾取」について述べてみたいと思う。 やりがい搾取については、有名アイドルグループにまつわる話を以前に書いた。ただ、この記事を書いた時点では、「やりがい搾取」と…

労働観を定期的に投稿します

さて、公務員心理の連載は先日終了とさせていただいたわけなのだが、今後は定期的に日本人の労働観、職場での対人心理のようなものを投稿していきたいと思っている。 労働観を述べるにあたっては、日野瑛太郎氏の脱社畜ブログというものが大いに参考になって…

大阪桐蔭の裏金問題に受験時代の記憶を絡めてみる

今後、定期的に理論を発信させて頂くことを述べたのだが、その前にこの話題について触れてみたい。 昨今のニュースで、大阪桐蔭の裏金問題の進展が報じられている。先日は実質創業者の前校長が刑事告発された、という段階まで進んでいる。 結論として思うこ…

連載終了の雑感

今年の年始から、数日の穴は空きましたがほぼ毎日連載を続けることができました。 それほど多くの方にお読み頂いた実感はないのですが、連載を始める前に週1回程度で更新していた頃に比べれば、アクセス数もほどほどに増加したかなという感覚です。読者の皆…

平たく解説・公務員心理 「キャリア制度」その7

[今回の心理場面] キャリアA、ノンキャリアB:結局、キャリア制度って何かと合理的でない部分が多いし、なくしたらいいんじゃないの? ---------- キャリア制度により生じる弊害への改善案としては、ここまでの内容を考えると、やはりキャリア制…

平たく解説・公務員心理 「キャリア制度」その6

[今回の心理場面] キャリア部下A:また専門知識のない幹部がやってきた…レクチャーに時間を取られ過ぎるから嫌なんだよ。。 ---------- キャリア制度で生じる専門知識の不足による弊害として、幹部へのレクチャーについて述べていきたいと思いま…

平たく解説・公務員心理 「キャリア制度」その5

[今回の心理場面] キャリア部下A:踏み込んだ政策立案をしてみても、上司などがあれこれ口を出すから、踏み込んだ部分が削られる一方だ… ---------- キャリア制度で生じる専門知識の不足による弊害について、続けて述べていきます。 (2)政策…

平たく解説・公務員心理 「キャリア制度」その4

[今回の心理場面] キャリアA:頻繁な異動により専門知識がないし、この政策立案はどう行えばいいんだろう? とりあえず議員などの言うことをそのまま聞いておけばいいか… ---------- キャリア制度により生じる具体的な弊害について、続けて述べ…

平たく解説・公務員心理 「キャリア制度」その3

[今回の心理場面] キャリアA:自分は幹部候補にふさわしい人間じゃないと思うんだが、それでも頻繁な異動をさせられて、業務への責任を全うできないよ… ---------- キャリア制度により生じる具体的な弊害について、続けて述べていきたいと思いま…

平たく解説・公務員心理 「キャリア制度」その2

[今回の心理場面] ノンキャリアA:一部のキャリアの人間よりよっぽど仕事ができていると思うんだが、それでも入省時の成績で身分が固定されるんだよな… ---------- キャリア制度の弊害について、前回はざっと見てみましたが、今回よりその内容を…