社会的な心理考察記

社会に働く心理について考察したブログです。

2015-03-01から1ヶ月間の記事一覧

平たく解説・公務員心理 「キャリア制度」その1

[今回の心理場面] 役人A:うちにはキャリアの人間がいるけど、採用時の成績だけで特権的に扱われるのって、どうなの? ---------- 中央省庁における「官僚」と呼ばれる方については、どのようなイメージをお持ちでしょうか? 官僚は「キャリア」…

平たく解説・公務員心理 「天下り」その7

[今回の心理場面] 官僚A:出世が途絶えたから外に出たいと言っても、外部の組織じゃなくて、他の省庁でもいいんじゃないの? ---------- 天下り対象者のメンツの問題については、そもそものメンツが発生するのを軽減する枠組を考えることも必要…

平たく解説・公務員心理 「天下り」その6

[今回の心理場面] 官僚A:行く先のない年長の人と同じ役職で仕事することになったけど、違和感がありながらも割り切らないといけないか… ---------- 親省庁による再就職先のあっせんを禁止したとしても、天下り対象者が組織の内部へ残り続ける、…

平たく解説・公務員心理 「天下り」その5

[今回の心理場面] 国民A:天下りがあって、民間企業、特にインフラ企業との癒着なんて生じれば、大問題につながるんじゃないのか… ---------- 天下りへの改善案としては、まずは親省庁による再就職先あっせんの禁止から始まることになります。 …

平たく解説・公務員心理 「天下り」その4

[今回の心理場面] 省庁A:天下りじゃないと再就職できない人が、天下り先に貢献できることはないだろう。そんな人が多いし、天下りの制度自体でメリットなど期待していない。 ---------- 今回は、天下りのメリットを考えてみたいと思います。メ…

平たく解説・公務員心理 「天下り」その3

[今回の心理場面] 国民A:天下り先は意義の薄い組織なのに、そこへ相応の予算が流され続けるのは、明らかな無駄では… ---------- 天下りは、天下り対象者が所属する\親省庁によって、再就職先をあっせんされて行われる\のが基本となっています。…

平たく解説・公務員心理 「天下り」その2

[今回の心理場面] 国民A:天下りをする人には、メンツを守ってあげた上に高い給料も支払っているというのでは、納得できるはずがない…。 ---------- どの組織でもそうですが、ポストというのはトップを頂点として先細りになっているため、どうし…

平たく解説・公務員心理 「天下り」その1

[今回の心理場面] 国民A:国が何か新しい組織を作っても、天下り先じゃないか?としか思えないな… ---------- 天下りについては、大きな害悪として頻繁に見聞きするものでしょう。 ただ、なぜ天下りがなくならないのか、中央省庁では天下りをや…

平たく解説・公務員心理 「増加する予算、過剰な省益追求」その12

[今回の心理場面] 省庁A:内閣にも、他の省庁と共同で政策へ取り組めるような枠組が、少しはあってもいいのかもしれない。 ---------- 過剰な省益追求への改善案の外的なものについて、「内閣横断組織」という概念について続けて述べていきたい…

平たく解説・公務員心理 「増加する予算、過剰な省益追求」その11

[今回の心理場面] 官僚A:評価基準がはっきりしてないから、過剰な省益追求につながる行動が行われてしまうんじゃないの? ---------- 過剰な省益追求への改善案の外的なものについて、続けて述べたいと思います。 <外的なもの>5.人事評価基…

平たく解説・公務員心理 「増加する予算、過剰な省益追求」その10

[今回の心理場面] 官僚A:議員からの要望、先輩のやってきたことに対しても、襟を正して自身の考えを通すのが大事だろう。 ---------- 過剰な省益追求への改善案の内的なものについて、続けて述べたいと思います。 3.議員や業界団体への対応の…

平たく解説・公務員心理 「増加する予算、過剰な省益追求」その9

[今回の心理場面] 省庁A:末端の人事はうちでやりたいが、幹部の人事は一元化の組織へ委ねようか… ---------- 過剰な省益追求を生み出す慣習について、ここまで述べた内容に即して、改善案を考えてみたいと思います。 その改善案としては、構成…

平たく解説・公務員心理 「増加する予算、過剰な省益追求」その8

[今回の心理場面] 官僚A:とにかく、先輩の顔に泥を塗るようなことはしたくない…。 ---------- 過剰な省益追求の原因と考えられる霞が関での慣習について、4つめとなる「先輩の面子を潰せない文化」について述べていきたいと思います。 4.先…

平たく解説・公務員心理 「増加する予算、過剰な省益追求」その7

[今回の心理場面] 官僚A:議員からの話へは、とにかくいい顔で対応しておこう。自分たちの省益追求を助けてくれるかもしれない。 ---------- 過剰な省益追求の原因と考えられる霞が関での慣習について、その3つめとして「議員や業界団体へいい…

平たく解説・公務員心理 「増加する予算、過剰な省益追求」その6

[今回の心理場面] 省庁A:うちで採用されてうちで人事評価を受けるんだから、他省庁は関係なくうちの都合を第一に考えるのが当然だろう。 ---------- 過剰な省益追求の原因と考えられる霞が関での慣習について、その2つめとして、今回は「各省…

平たく解説・公務員心理 「増加する予算、過剰な省益追求」その5

[今回の心理場面] 省庁A:常に天下り先を作ることを意識して、組織資源の追求を行うように。 ---------- ここまで述べてきた過剰な省益追求は、その原因の根が深く、解決が容易ではないものと考えられています。 ただ、霞が関で維持されていると…

平たく解説・公務員心理 「増加する予算、過剰な省益追求」その4

[今回の心理場面] 省庁A:うちが担当できそうな政策課題があるなら、省益を増やすためだ、必ずうちの担当にしてみせるぞ。 ---------- 各省庁の割り振り争いの場面においても、省益追求の意識が大きく入り込みます。ここには縦割り意識も絡んで…

平たく解説・公務員心理 「増加する予算、過剰な省益追求」その3

[今回の心理場面] 省庁A:財務省は省庁ごとに予算を適切に調整できていないし、一律で扱われるならいっそ、無駄な予算も盛り込んで要求してしまおう。 ---------- ここまで述べてきた過剰な省益追求ですが、今回はそれが生じる具体的な場面を見…

平たく解説・公務員心理 「増加する予算、過剰な省益追求」その2

[今回の心理場面] 省庁A:昔は際限のない予算要求ができていたんだから、今も変わらず要求するべきだ。 ---------- 過剰な省益追求によって社会のバランスを失わせることについては、時代背景からその不適切さを説明できるものと思われます。 経…

平たく解説・公務員心理 「増加する予算、過剰な省益追求」その1

[今回の心理場面] 国民A:国の借金が膨れ上がる一方というニュースは聞くけど、身近なところでは影響を感じることはない。けど本当にこのままで問題ないの? ---------- 毎年、国の借金が1,000兆円に達した、といったニュースを見聞きしないでし…

平たく解説・公務員心理 「過剰な説明責任」その7

[今回の心理場面] 市民A:特別会計や補正予算は金額も大きいし、こうした予算で放漫な使い方がなされるのはまずいんじゃないの? ---------- こうした無責任な予算の発生を抑えるためには、まずは予算の費目ごとにわたるような、詳細な査定を行…

平たく解説・公務員心理 「過剰な説明責任」その6

[今回の心理場面] 市民A:特別会計や補正予算など、規律が失われているような予算が存在するのはなぜだろう? ---------- 「過剰な説明責任」の追求によって、「説明責任の空白」が予算の査定と評価の関係において生じることが想像されるわけで…

平たく解説・公務員心理 「過剰な説明責任」その5

[今回の心理場面] 上位機関A:予算の査定も評価も、細かい部分まで全力で行おう。しかし、細かく見過ぎると疲れてくるな…これで評価まで行う体力が持つだろうか…。 ---------- 予算の査定と評価において「過剰な説明責任」を問うことで、過剰な…

平たく解説・公務員心理 「過剰な説明責任」その4

[今回の心理場面] 下位機関A:予算が費目ごとに細かく査定されているから、柔軟な使い方ができないな…。 ---------- 上位機関が下位機関の予算の支出に対して「過剰な説明責任」を問うことにより、以下のような重大な弊害が生じることも考えられ…

平たく解説・公務員心理 「過剰な説明責任」その3

[今回の心理場面] 下位機関A:他の事業と共用できることがあっても、基本的に特定の事業で使うものなら、すんなり直接経費で買わせてくれないだろうか…。 ---------- 予算の説明責任に係る業務量を減らすためには、直接経費へ過剰な説明責任を追…

平たく解説・公務員心理 「過剰な説明責任」その2

[今回の心理場面] 上位機関A:配布した予算と実施する事業の間には、厳密に一対一の関係が成り立つはずだ。どれほど細かいものであっても。 ---------- 上位機関が下位機関の予算の支出に対して「過剰な説明責任」を問うことは、以下のような弊…

平たく解説・公務員心理 「過剰な説明責任」その1

[今回の心理場面] 上位機関A:国民から税金を取っている以上は、そのあらゆる使い道を厳しく問い詰めなくては…。 ---------- 行政組織では予算の使い切りが行われることを述べてきましたが、併せて予算の執行においては、予算を配布する上位機関…

平たく解説・公務員心理 「予算の使い切り」その6

[今回の心理場面] 下位機関A:繰越をしても次回の予算査定に影響はないと言われるが、本当だろうか…何か客観的な資料があれば信用できるんだが。 ---------- 予算に使い切りにおける3つの不適切な考え方について、考えられる改善案の最後の3つ…

平たく解説・公務員心理 「予算の使い切り」その5

[今回の心理場面] 下位機関A:予算の余りが一定の金額以内なら、ほとんど手続なしで無条件に繰越できるような運用にはしてもらえないだろうか? ---------- 予算に使い切りにおける3つの不適切な考え方について、考えられる改善案の2つめを述…

平たく解説・公務員心理 「予算の使い切り」その4

[今回の心理場面] 下位機関A:予算の余りには、非合理的な結果と合理的な結果を判別するような、一定の基準を設ければいいんじゃないの? ---------- 先に述べた、予算に使い切りにおける3つの不適切な考え方について、それぞれに対応する形で…