平たく解説・公務員心理 「天下り」その1
[今回の心理場面]
国民A:国が何か新しい組織を作っても、天下り先じゃないか?としか思えないな…
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天下りについては、大きな害悪として頻繁に見聞きするものでしょう。
ただ、なぜ天下りがなくならないのか、中央省庁では天下りをやめられないのか、そうした根深さがあるとおり、天下りの原因を分析することには困難を伴っています。
この項では、筆者の考えではありますが、その分析を行ってみたいと思います。
天下りについて、まずその定義を考えると、
「ある程度出世はしたがもはや役に立たない幹部層、中年層の人へ、メンツを守るために組織の外部で意義の薄いポストを作って、そこへ就かせるもの」
と言えそうです。
しかし、意義が薄い立場であるのに厚遇でもてなされることが多く、この部分が悪以外の何者でもないとして批判を受けるものとなっています。
霞が関の中央省庁では、自身の権限を材料にこうした天下り先を多々作ろうとする性があり、税金を浪費するという事態が繰り返されてきたと言えそうです。
また、天下り先として外部の組織を作ろうとすると、そこへは民間企業が絡むこともあります。すると、天下り先を作らせてもらうためということで、民間との癒着が生じるようなことにもなるわけです。
日本においては、天下りの概念が根付いてしまっているため、「政策課題に対して組織を設立する」という本来当たり前であるはずの行動に対しても、「また何か無駄な組織を作って、そこを天下り先にするのか…」といったネガティブなイメージが先に浮かんでしまうこともないでしょうか?
このようなイメージを招いているのは、非常に嘆かわしい事態です。
天下りの文化を生じさせてしまう心理について、次回からその詳細を見ていきたいと思います。