社会的な心理考察記

社会に働く心理について考察したブログです。

2014-01-01から1年間の記事一覧

2014年の総括

今年は「年忘れ」という言葉を真剣に捉えるほど、残念なことの多かった年だったと思う。 もちろん筆頭はSTAP細胞の話で、年始から騒ぎが始まりちょうど年末に終止符が打たれたと。 和田秀樹氏が以下の記事で「騙された年」と振り返っているが、的を射た内容…

歪んだ機会均等

近年は、従来では狭き門であったような高度な資格、地位に対して、一般市民にも広く門戸を開いてあげようよ、という心理が目立っているような気がする。 例えば、司法試験の合格者増加、大学院博士号の取得者増加などがその心理の典型的なものであるように思…

理想追求による職務放棄

理想を追求することで現実を放棄するという心理については、なんとなくのイメージはできるかと思う。 「理想ばかり見て現実を見ない」ということだ。 個々人の考え方においては、往々にして現れる心理だろう。 この心理は、個人のレベルであれば、身の回りの…

関係性抵触での脅し

タイトルだけでは何のことかよくわからないと思われるが、日常にも潜む心理論について。 「そんなことをするならもう~しない」この台詞は、日常のいろんな場面で出くわすだろう。 そして、この「もう~しない」というのは、これを言う側と言われる側の関係…

上司対応の遅さ

前回の「マッチポンプ論」にも通ずる話で、組織における心理論を。 マッチポンプ論では、上司が部下に十分な指示を出さず、部下が困り果ててから上司が十分な指示を与えるという行動を取り上げたのだが、これがもっと組織的な大きな話として現れることがある…

「マッチポンプ」論

前回の言わなくてもわかるだろう論に続き、対人心理についての考察を。 マッチポンプとは、自分でこっそり問題を起こしておきながら、その解決役に名乗り出ることで周りからの感謝を得ようとする行動のことを指している。 マッチで火をつけて自分からポンプ…

「言わなくてもわかるだろう」論

タイトル通り、対人心理にかかるこの言葉への考察を。 言わなくてもわかるだろう、という言葉は空気が読めない人を糾弾するときに使われるイメージが一般的となっている。「ここまで言えば、言ってないことは自分で補って行動できるだろう」と。 この表現に…

病児保育について

報道番組の特集から思ったことを。 小さな子供がいて働いている母親は、子供を保育園に預けることになるが、保育園は子供の熱が高かったり病気だったりすると預かってくれないため、母親が仕事を休んで子供を看なければならないと。そして小さな子供は割と熱…

陰謀論について

陰謀論について、本日発表されたGDPマイナス成長ショックと絡めて。 ある物事が発表されたときに、権力者が裏で事実を操作しているのでは、と疑うのが陰謀論の考え方であり、発表内容の裏を疑う姿勢の必要性を説くものとなる。ただ、考え方が陰謀論に偏りす…

自腹補填での引責

http://news.yahoo.co.jp/pickup/6137881 なかなか革命的な話だが…大阪市の観光局長が、音楽イベントの赤字を自腹で補填したとか。 組織における失策については、それが「トップの強行」によるものでも、民間企業では社長、幹部の引責辞任、あるいは部下での…

評価について

評価の制度により、特に公立学校の教員が業務量の増加に苦しんでいるという話はよく聞く。 評価で確認しないと、もし労働者がいい加減な働き方をしていたときにその牽制ができなくなる、というのが評価の概念となっている。 そして、労働状況を数字で測られ…

「環境」について

日本において、「環境」を標榜することが必ずしも好意的に捉えられていないことについて。 環境保全、環境保護といったテーマは人類の課題とも言えるような殊勝なものであるが、行政組織の不祥事、特に市役所職員の不祥事、逮捕事案と言えば出てくる部署は環…

小渕氏の政治資金について

しばらく世論の検討が続きそうなこの話題について。 政治家には政治資金として多額の公金が流れ込む。そして、政治活動ということで広い解釈の元で支出も行われる。しかし、公金の支出で気を付けなければいけないのは私的流用を防ぐということであり、この問…

マタニティマークについて

最近のニュースにも上がったこの話題について、マタニティマークをつけることが特別視を求めているようで不愉快などの議論が巻き起こっている。 マークを不愉快と思う人は、ご老人である、怪我をしているという状況を始め、お腹が大きいという状況が見た目に…

特許権の帰属について

今回のノーベル物理学賞受賞者のうちの中村修二氏が10年ほど前に、在籍していた企業と発明の特許権をめぐって争ったことがあった。 そして安倍政権の動きとして、社員の発明は企業に特許権が帰属する、という制度を運用する流れとなっている。このことについ…

電子書籍新刊の発行について

拙著「公務員心理15の謎を解く」に続き、今回「日本的労働観と長時間労働 -残業代ゼロ法案の展望-」を新刊として発行しました。(40ページ程度の短編) http://www.amazon.co.jp/dp/B00NWOJ9OO 主な内容は、日本の労働時間が先進国中で突出して長いもの…

やりがいの買い叩きについて

やりがいがあって仕事をしている人に、使用者がその給与を削ろうとする心理について。 やりがいのある仕事はいわゆる天職と言われるように、やりがいがありながらお金も稼げるという、人間であれば誰しもが目指したい、目指すべきところのものとなる。 しか…

朝日の誤報について

戦後長い歴史でこんな日も来るものだと、朝日の誤報発表を見ながら感慨を覚えているが、ここで左翼右翼について思うことを。 単純に言えば、左翼は皆が平等に、暴力反対、右翼は民族の利益が優先、多少の暴力は不可避である、という立場となる。そして朝日は…

犬猫への餌やり禁止について

よく、動物への餌やり禁止が求められることがある。 そしてはこれは、基本は野生の動物を対象としたものだが、犬猫に対しても求められることがある。 ここに違和感を覚えるため…以下思ったことを。 野生で生きていく境遇にある動物に対しては、餌やりをする…

地方議員の不正対応について

号泣県議について、様々な不正の疑いが引き続き報道されているが、初期に報道されていた「カラ出張の疑い」と「切手大量購入」について改めて考えてみると、その不正を正す難しさも浮かび上がってくるものであり。。以下長文となるところをご容赦あれm(_ _)m…

未経験への想像力

経験していないことでも、想像力をもって共感、予測しようとすることについて。 身の回りでは、あることを経験した人と経験していない人で会話をしているとき、未経験者の意見へ、経験者が「君は経験していないからわからないんだ」という理屈が、たびたび使…

代ゼミの規模縮小について

大学受験の頃、たびたびお世話になった代ゼミであるが… なんとも全国29校のうち22校閉校、全国模試も部分廃止、講師400人ほどの希望退職という、半分倒産といってもいいほどの規模縮小をするというのはかなりの驚き。予備校業界は、大阪では以前に北予備・大…

マスコミの個別事故報道について

お盆、正月などの時期になると特にそうであるが、帰省時の車の交通事故や、あるいは通常の時期でも個人宅での火災発生など、個別の事故について報道がなされる。 そしてこうした事故は、その原因が個人に帰する要素が強いために、諸外国ではあまり報道されな…

地方議員への糾弾について

本日は、LINEで中学生を恫喝したとかいう大阪府議が反論を述べるような会見が行われた。この事件自体も会見の内容も珍妙なものであったが…。 つい先日には号泣の兵庫県議の話が大盛り上がりを見せていたが、近ごろマスコミが議員への糾弾を積極的に行ってい…

国政と地方との距離感について

自民党の土屋正忠衆院議員は自身のブログで、田上富久長崎市長が平和宣言で集団的自衛権をめぐる議論に懸念を示したことについて、「核廃絶の祈りではなく、平和を維持するための政治的選択について語りたいなら、長崎市長を辞職して国政に出ることだ」と批…

原告側の立証責任

タイトルは固い…が日常でもありがちな心理について。 あることを主張している人に対して、なぜそうなるかの説明を求めたときに、説明を求められた側が「なぜそうならないと思うのか説明して」と返してくる…という状況にしばしば遭遇する。なぜそうならないか…

原爆投下から69年

今日は原爆の日。広島に原爆が投下されてから69年。。 去年今年と、「永遠の0」の書籍、映画の大反響により、日本全体で戦争観が慈しみをもって呼び起された感がある。自分もそのうちの一人なので、永遠の0を通じて考えたことを以下記してみたい。 永遠の0で…

STAPにかかる笹井氏について

もう今年は年初からずっとSTAPの話に振り回され、ここへ来て小保方氏の師匠的存在の笹井氏が自殺するという、おぞましい展開となっているが… これもSTAPの話題が出てからずっと提示される考え方だが、STAPに関しては ・マスコミや一般人が騒ぎ過ぎている。騒…

優先座席について

優先座席はご老人、妊婦さんなどを対象に、健康な人が座席を譲るべきとされる。 しかしこれを逆手にとって、優先座席の対象者の側から座席を譲らせようとする態度を示すこともあり、こういう人は優先させるべきなのかどうか、しばしば議論に上がったりする。…

業務の引継マニュアルについて

どの組織や部署でも必要な、業務の引継マニュアルについて。 どの組織や部署においても、人事異動というのは避けられないものとして存在している以上、異動での前任後任の間で、業務を適切に引き継ぐことが重要となる。 また、担当者が有給休暇を気兼ねなく…