平たく解説・公務員心理 「公務員の消極性」その6
[今回の心理場面]
役人A:一歩踏み出して頑張ったことは、通常の業務とは別に扱ってもらえませんか?
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公務員の消極的な姿勢を改善するために、行政組織内でできる改善案として、「必須業務と剰余業務」を分類するという概念を提起したいと思います。
市民からの業務の当然視、失敗の冷遇を受けて消極的になってしまうことを克服するためには、公務員が通常業務以外の業務を積極的に行うことについて、それが明確になるような枠組を設けることが有効なのではないでしょうか?
つまり、通常業務と、通常業務以外の業務を明確に分類するような作業を導入するということですね。
この中で、通常業務のことを「必須業務」、通常業務以外の業務のことを「剰余業務」と呼んでいきます。
そして、この両者の範囲を分類するための具体的な方法について考えてみます。それは、構成員の各々に自身の必須業務の範囲を考えてもらい、それを組織の中、上司との間で共有するということが挙げられるでしょう。
必須業務を超えた範囲で行う業務が、剰余業務ということになるわけですね。
この剰余業務をこなした量に基づいて、組織内での評価が高まるような制度について想像してみます。
すると、公務員が積極的に剰余業務を行ってもそれを当然視されてしまう状況から解放され、剰余業務を行えば確かな賞賛を得られる可能性が高まることで、公務員が仕事を増やしたくない態度を取ることが軽減される…といった像が描けるのではないでしょうか?
また、剰余業務を行うことには失敗する可能性がついて回りますが、剰余業務を成功させることにより確かな賞賛を得られるのであれば、失敗の冷遇を恐れない積極性が高まることも見込まれるでしょう。
ただ、この必須業務の範囲を故意に狭くしてしまえば、剰余業務の範囲が増加することになります。すると、故意に評価を高める機会を増やすことも可能となるわけです。
これは当然に対策を考えるべきものとなり、次回で述べたいと思います。
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