平たく解説・公務員心理 「天下り」その3
[今回の心理場面]
国民A:天下り先は意義の薄い組織なのに、そこへ相応の予算が流され続けるのは、明らかな無駄では…
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天下りは、天下り対象者が所属する\親省庁によって、再就職先をあっせんされて行われる\のが基本となっています。
そして、この親省庁が再就職先をあっせんするという形が、以下のような大きな問題を生み出します。
1.ポスト創出による過剰な省益追求
霞が関の中央省庁というものは予算を自由に動かせる立場にあるため、所管する政策課題と関連する予算を使って、天下り先のポストを作ろうとする問題となります。
天下り先にすることありきで組織が作られるため、意義の薄い組織が作られることになるのですね。
形だけでもまず作る、ということが先に意識されるわけですから、当然その組織の意義は薄いです。
そしてその組織に対しては相応の予算を継続的に流す必要があり、その確保のため、過剰な省益が追求されることになるわけです。
意義の薄い組織を維持するための予算なので、もちろんのこと予算の無駄遣いと言えるでしょう。
2.癒着
天下りを受け入れてもらうことにより、その組織との間に癒着関係が生じてしまい、そのために政策の公益性が歪められてしまうという問題となります。
あっせんによって天下り先に継続してOBを受け入れてもらうことで、その相手先との関係で襟を正すことができなくなるために、癒着が生まれることになるわけですね。
天下りについては、天下り先の組織にとっては天下りをした人の経験を活かすこともできる、というメリットが主張されることもあるのですが、次回はこの点を見たいと思います。