平たく解説・公務員心理 「天下り」その2
[今回の心理場面]
国民A:天下りをする人には、メンツを守ってあげた上に高い給料も支払っているというのでは、納得できるはずがない…。
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どの組織でもそうですが、ポストというのはトップを頂点として先細りになっているため、どうしても昇進が進むにつれ、途中の段階からはポストからあぶれる人が出てくることになってしまいます。
霞が関では、同期に出世頭が出た時点で、ポストからあぶれることになると言われています。
そして、組織の資源に余裕がある限りは、そうした人事競争に敗れた者のメンツを守るため、受け皿を用意してあげようとする心理がしばしば生じるものです。
その受け皿は外部に用意されることが多く、これが天下りにつながることになるわけですね。
結果的に天下りをしたOBが天下り先に貢献できる人であったということもあります。
ただ基本的に天下りというものは、天下りOBが名誉職のような形で何もせず、高給や退職金などの厚遇を貪るのみであるというような、望ましくない方向へ傾くのが大半ではないでしょうか。
特に、天下りで複数の機関へ移る際に、退職金が重複して支払われるという「わたり」と呼ばれるものは、不適切さの最たるものでしょう。
天下りの問題点として、こうした高給や退職金といった厚遇でもてなされたいという単純な甘えの心理は、直ちに一掃されるべきと言えそうです。
そして天下りの根深い問題点となるのが、外部に意義の薄いポストを用意して再就職先をあっせんする、という心理となります。次回はこの点への改善案を探っていきます。