平たく解説・公務員心理 「過剰な説明責任」その3
[今回の心理場面]
下位機関A:他の事業と共用できることがあっても、基本的に特定の事業で使うものなら、すんなり直接経費で買わせてくれないだろうか…。
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予算の説明責任に係る業務量を減らすためには、直接経費へ過剰な説明責任を追求する意識を改めることが重要なのかと考えられます。
そして以下においては、そのために必要となる考え方について、分析を行ってみたいと思います。
予算により購入する物品について分類してみると、
(1)特定の事業のみで使うことが明らかなもの
(2)他の事業と共用できることもあるかもしれないが、基本的には特定の事業で使うと言えるもの((1)、(3)のどちらとも言い切れないもの)
(3)他の事業においても共用できることが明らかなもの
の3通りのものがあると言えそうです。
そして現状においては、説明責任をより追求するために、直接経費では(1)のみを購入するのが望ましく、他の事業と共用する可能性のある(2)や(3)は間接経費で購入することが望ましいものとされる感覚があるわけです。
このことで問題となるのが、直接経費で(2)を購入した場合に、それが適正なものであるかどうか、説明責任を厳しく問われてしまうということなのですね。
しかし、(2)の範囲というのは、かなり広いものと考えられないでしょうか? ここに説明責任を問うとなると、相当な業務量を要することが避けられないと思います。
そのため、このようなところには説明責任を問わないようにする、という考え方が取れないものかと期待されるのです。
直接経費で(2)を購入することには寛容になって、間接経費は(3)のみを購入するためのものである、と割り切ることが求められるところです。
次回は、過剰な説明責任を追求することでの、2つめの弊害について述べていきます。
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