平たく解説・公務員心理 「天下り」その4
[今回の心理場面]
省庁A:天下りじゃないと再就職できない人が、天下り先に貢献できることはないだろう。そんな人が多いし、天下りの制度自体でメリットなど期待していない。
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今回は、天下りのメリットを考えてみたいと思います。メリットとしては、
1.知識、経験の還元
天下りOBが中央省庁で得てきた経験・知識をその組織で還元できる。
2.影響力の期待
中央省庁からの天下りOBを受け入れると、その省庁との交渉にあたって頼りになってくれる。
といったことが挙げられ、中央省庁とやり取りするノウハウが不足している組織にとっては、有力なものとなります。
ただ、メリットを活かせるような場合は天下りも有効であるとは言えるのですが、メリットを活かせるケースがどれほどあるのでしょうか?
おそらく、メリットを活かせるのは、およそあっせん無しの自力で再就職ができるような人なのではないかと思います。
しかしながら、天下りをする人はあっせん無しの自力で再就職することが難しい人がほとんどである、という寂しい現実があるようです。
なので、このようなメリットが活きる形になることはほとんどない、と言えるわけですね。
このように考えると、天下りのメリットは基本的に考慮できないもの、と言わざるをえないでしょう。
天下りについては、メリットに注目してそれを活かす形を考えるよりは、天下りのデメリットを少しでも軽減していく考え方を探るほうが現実的かと思われるところです。
次回は、天下りを改善するにあたっての具体的な考え方について、検討していきたいと思います。