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社会を変化させる社会心理論・組織心理論の考察記

行政職員の筆者による、社会を変化させるような社会心理論、組織心理論がいかなるものか、その考察内容を綴ったブログです。

平たく解説・公務員心理 「増加する予算、過剰な省益追求」その4

 [今回の心理場面]
 省庁A:うちが担当できそうな政策課題があるなら、省益を増やすためだ、必ずうちの担当にしてみせるぞ。

 

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  各省庁の割り振り争いの場面においても、省益追求の意識が大きく入り込みます。ここには縦割り意識も絡んでおり、根深い問題であることが指摘されています。

 

2.割り振り争いにおける省益追求
 中央省庁では仕事の押し付け合いに限らず、仕事の奪い合いによる割り振り争いが生じるものとなっています。

 

 一般の行政組織においては、仕事の押し付け合いでの割り振り争いが生じるため、「割り振り争い」の項で述べたように、個々が属性の衝突への割り切りを行うことなどで解決を図れそうではあります。

 

 ただ…中央省庁においては、新たな政策課題が生じてそれが省益につながる場合、どの省が担当するかという仕事の奪い合いが激しいものとなるわけです。
 ここには省益追求がかかっている以上、属性の衝突に対して割り切りを行うことが容易ではなくなっている、ということですね。

 

 新たな政策課題について他省庁が政策立案を行った際には、自省庁の省益を狭めようとするものでないかの監視が行われます。その相手方の省庁へ、「紙爆弾」として大量の質問を送りつける、といった非合理的な慣習が存在するという話もあります。

 

 こうした省益の追求がかかっているならば、同じレベルにある省庁間で話を進めていても、議論が膠着するばかりで効果的な解決を図ることは難しいものでしょう。
 その状況の中で解決を図ろうとすると、互いの利害を均等に盛り込み、痛み分けを求めるような「歪んだ折衷案」が提案され、それで手を打とうとする気運が生まれることにもなるのですね。

 

 しかしそうした折衷案による解決では、主担当として取り組むべき側が半分しか権限を得られないことで、機動的に政策課題へ取り組むことができなくなるわけです。

 
 このような構図で、各省庁の省益追求は根深く解決が困難なものとなっています。次回からは、考えられる範囲でその改善案を考察していきたいと思います。