平たく解説・公務員心理 「予算の使い切り」その5
[今回の心理場面]
下位機関A:予算の余りが一定の金額以内なら、ほとんど手続なしで無条件に繰越できるような運用にはしてもらえないだろうか?
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予算に使い切りにおける3つの不適切な考え方について、考えられる改善案の2つめを述べていきたいと思います。
2.繰越手続の煩雑さの解消
「合理的な結果によって繰越を行う」ということについては、その合理性について過剰な説明を求められると、手続が煩雑になります。
この点については、単純に過剰な信憑性を追求する意識を放棄することで、合理性について一定の説明を行うのみで繰越ができるようにするべきでしょう。
そしてここでも、先ほどの緩衝額の考え方を導入することができるかと思います。一定額以内の予算の余りについては理由を問わず、柔軟に繰り越しを行うことを可能にできるということですね。
やむを得ず緩衝額を超える額を繰り越そうとする場合には、繰越を行う理由を詳細に問うことは必要となるでしょう。しかし、緩衝額の範囲内で繰越を行う分には、一切の理由を問わず繰越を認められるようにする、という運用を行うことが理想ではないでしょうか。
不適切な考え方への改善案については、次回に最後の3つめを述べていきます。