社会を変化させる社会心理論・組織心理論の考察記

行政職員の筆者による、社会を変化させるような社会心理論、組織心理論がいかなるものか、その考察内容を綴ったブログです。

仕事内容への安易な威厳づけ

今回は、育児参加への妨げや長時間労働を生む要因の1つとして、仕事内容へ安易な威厳づけを行ってしまう心理について述べたいと思う。

 

仕事をしている中で、職場的に重要そうに思える仕事内容というのがある。会議、来賓対応、講演会など、様々な関係者との調整を要するものがその代表格だろう。外部の人間が絡むとなるとその重要度はいっそう増す。

そうした仕事が、業務時間の後ろのほうに設定されることもしばしばあるだろう。業務時間の定時を超え残業が生じることも容易に想定される。そんな仕事内容に面したときに…

 「この仕事だったら残業もやむなし」

こんな心理に直ちに及んではいないだろうか。思考停止的にこう考える心理は、おそらく大多数の職場で起こっているものだろうと推測される。この感覚は日本人の価値観に基づいて、無意識のうちに刷り込まれているレベルの話であるだろうし、相当に根が深い。

 

2時間かかるような会議が定時の1時間前開始に設定されていれば、間違いなく残業が生じる。そもそも会議自体が定時後の開始で設定されている、こんな呆れる話は昨今の長時間労働見直しの流れを受けて減っていくのだろうとは思われるが、定時内には開始するが終了するのは間違いなく定時後になる、こんな設定は依然として広く存在しているだろう。

こんな設定を目にするにつけ、本当にそんな設定が必要なのか、定時内に終わらせられるような調整は本当にできないのか、と思わずにはいられなくなる。

 

外部の来賓があったとしても、その人が本当に定時外にかけてでしか来ることができない、というケースであれば、例外的にやむを得ないものとして対応する必要はある。しかし、定時内に終了するということを第一に打診し、それを簡単に譲らないくらいの姿勢は持つべきだ。

外部の来賓に対してさえこのような姿勢を求めたいわけで、内部の人間だけで行う会議を簡単に定時外にかけて設定するというのは、ただ安直としかいうほかない。

 

慣例としてそんな設定が維持されているという会議があれば、慣例だから仕方ないと安易に受け止めることもよくあるだろう。しかしこんな姿勢にも疑義を呈したい。定時外にかかるような仕事内容には、どんな慣例があれども慎重に疑ってかかるべきだ。

 

長時間労働をめぐる問題には、何やかやと「○○のためだから」と安易に威厳づけを行い、思考停止を起こして深く考えることなく残業を受け入れる、こんな心理が根深く関係している。

「安易な威厳づけ」この言葉を定義してこうした心理をあぶり出し、広く抵抗がなされていくことを望みたい。