平たく解説・公務員心理 「キャリア制度」その7
[今回の心理場面]
キャリアA、ノンキャリアB:結局、キャリア制度って何かと合理的でない部分が多いし、なくしたらいいんじゃないの?
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キャリア制度により生じる弊害への改善案としては、ここまでの内容を考えると、やはりキャリア制度を刷新することがただ望まれるでしょう。
具体的には、キャリア制度の刷新によって、問題点で述べた内容について以下のとおり改善していくことが考えられます。
1.中途からのゼネラリスト登用
組織として望ましい人材育成は、まず採用時は全員をスペシャリストとして専門知識をつけさせていく、ということになりそうです。
そして、年数が経って現場での能力をある程度測ってから(10年前後の目安)、ゼネラリストになりたい者を随時募っていく、という形が最適なのではないでしょうか?
そこでゼネラリストになることを認められてから、初めて幹部候補としての扱いを受けるようにするわけですね。
この形であれば、採用試験の成績は芳しくなくても、現場での高い能力を示すことができれば、幹部候補として選抜されることも期待できそうです。
2.頻繁に異動する文化の見直し
ゼネラリストの選抜の前、または後ろにおいてスペシャリストとなる人材については、頻繁に異動する文化を改めることで、専門知識を有する担当者として腰を据えて取り組めるのが望まれるところです。
そして、5年、10年といった長い年月であっても、筋道立てて責任を負える可能性を高めることが必要なのでしょう。
また頻繁に異動する文化を改めることにより、構成員に専門知識をつけさせることで、先に述べた政策立案の消極性、政策立案の平準化、幹部へのレクチャーといった事態が生じることも軽減していくことも必要ですね。
霞が関においては、異動を多く行っていることがプラスの評価につながると言われています。
しかし、頻繁な異動による弊害を招くキャリア制度は刷新されるべきものであり、こうした評価が行われることのないようにしてもらいたいものです。
「キャリア制度」の項は以上となり、連載内容もこれにて終了となります。
あとがきの稿を後日投稿したいと思いますm(_ _)m
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