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社会を変化させる社会心理論・組織心理論の考察記

行政職員の筆者による、社会を変化させるような社会心理論、組織心理論がいかなるものか、その考察内容を綴ったブログです。

平たく解説・公務員心理 「キャリア制度」その1

 [今回の心理場面]
 役人A:うちにはキャリアの人間がいるけど、採用時の成績だけで特権的に扱われるのって、どうなの?

 

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  中央省庁における「官僚」と呼ばれる方については、どのようなイメージをお持ちでしょうか?

 

 官僚は「キャリア」とも呼ばれ、入省時に特別選抜の試験を受けていて、特権的な扱いを受けている立場となっています。
 この特別選抜の試験を設け、合格者には入省後に特権的な扱いが行われる制度が「キャリア制度」ということになります。

 

 ただこのキャリア制度ですが、入省時の試験に基づいて始めから特権的な扱いを行うことがあだとなっており、様々な弊害を生んでいることが指摘されています。
 以下、まずはその弊害の内容をざっと見てみましょう。

 

 中央省庁では、その構成員は特別選抜のキャリアと一般選抜のノンキャリアに分かれ、一緒に仕事をしています。入省時の試験に基づいて立場の差が分かれているのですが、入省後の仕事の仕方においても、この立場の差が維持されることに合理性はあるだろうか?ということが、まずは問題になってきます。

 

 おそらくは、実際に仕事を始めてみて、ノンキャリア採用でも優秀な人材がいたり、キャリア採用でも見込みほど優秀でない人材がいるようなこともあるでしょう。
 しかしその際にも立場が固定されるため、優秀な人材を適切に要職へ就かせられない、ということが指摘されているわけですね。

 

 また霞が関においては、キャリア組を採用時から幹部候補として扱い、ゼネラリストとして育成することに意識が向きすぎているとも言えそうです。

 

 「公務員の異動」の項で述べた理屈と同様ですが、キャリア官僚はゼネラリストとして特権的に扱われることで、特に異動の周期が短くなっているという事実があります。
 このことによって、やはり異動による責任逃れの意識を招くことになり、業務への責任意識を希薄にさせる、ということは避けられませんよね。

 

 また、ゼネラリストであることで専門的な知識が十分に身につかずに、政策立案に際して深い洞察を行うことができないために、様々な弊害が生じていることも言われています。 


 次回より、キャリア制度のこのような弊害について、具体的に見ていきたいと思います。