社会を変化させる社会心理論・組織心理論の考察記

行政職員の筆者による、社会を変化させるような社会心理論、組織心理論がいかなるものか、その考察内容を綴ったブログです。

平たく解説・公務員心理 「増加する予算、過剰な省益追求」その7

 [今回の心理場面]
 官僚A:議員からの話へは、とにかくいい顔で対応しておこう。自分たちの省益追求を助けてくれるかもしれない。

 

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  過剰な省益追求の原因と考えられる霞が関での慣習について、その3つめとして「議員や業界団体へいい顔をする文化」について述べていきたいと思います。

 

3.議員や業界団体へいい顔をする文化
 霞が関の構成員に対しては、議員や所管業界からの予算などの要望が行われることがあります。
 そしてこのときに、それらに対していい顔をしようとする文化があることが指摘されており、このことも過剰な省益追求を強化していると考えられます。

 

 ここまで述べたように、天下り先作成の文化、各省庁個別の人事の文化を主として、過剰な省益追求が行われます。
 そのところへ、議員との友好な関係を持っていれば、自分達の行う過剰な省益追求における援護射撃を行ってもらうことが期待できるというわけですね。

 霞が関には「議員からの要望は丁重に取り扱うもの」という空気があるようであり、これはこうした心理から生じているのではないかとも考えられるのです。

 

 そうして、議員と必要以上に友好な関係を築こうとしてしまうのですが、議員と必要以上に有効な関係を築くということは、どういうことにつながるでしょうか?

 

 本来、事務官の立場としては、議員からの要望について取り入れるものは取り入れる、断るものは断る、と適切に取捨選択することが望まれます。政官の間では適度な距離を保つべき、ということですね。

 しかし、議員と必要以上に友好な関係を築こうとすると、議員の要望を必要以上に聞いてしまうことになるでしょう。その結果、不適切な要望まで取り入れてしまうことが考えられ、政策の遂行に歪みをもたらすことが想定されるわけです。

 

 このように、議員と必要以上に友好な関係を築こうとすることが、過剰な省益追求をより強化する一因となり、加えて不適切な要望を受けて政策の遂行に歪みをもたらす、という二重の弊害を生じさせるということになります。

 
 次回も続けて、過剰な省益追求の原因となる慣習について見ていきたいと思います。

 

議員秘書だけが知っている キーパーソンを味方につける技術

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