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社会を変化させる社会心理論・組織心理論の考察記

行政職員の筆者による、社会を変化させるような社会心理論、組織心理論がいかなるものか、その考察内容を綴ったブログです。

平たく解説・公務員心理 「増加する予算、過剰な省益追求」その2

 [今回の心理場面]
 省庁A:昔は際限のない予算要求ができていたんだから、今も変わらず要求するべきだ。

 

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  過剰な省益追求によって社会のバランスを失わせることについては、時代背景からその不適切さを説明できるものと思われます。

 

 経済成長期の時代など、社会が進化の途中にあった時代について考えてみると、その時代には社会的に緊急を要する政策課題が数多くあったわけです。

 そのために、それらの課題へ優先順位をつける必要はなく、手当たり次第にこなすことが可能だったと言えるでしょう。

 

 政策課題の存在が予算を要求するための根拠となるのですが、そうした予算の根拠が、経済成長によって豊富に生まれていたことが大きかったのですね。

 

 しかし…近年は社会が成熟し、経済成長も停滞しています。その分社会的な緊急課題も少なくなっているため、予算の根拠も減少しているわけです。
 この状況で、昔と同じように予算を要求していて問題はないのでしょうか? そんなはずはありませんよね。


 そうした状況では、政策課題に優先順位をつけることが重要となってくるものです。あれもこれもこなすことはできないはずなのです。

 

 ただ…各省庁ではそんな近年の時代背景においても、予算の要求姿勢を変えることができていないようです。
 予算の根拠が減少していることなどお構いなしに、あれもこれもと予算要求を行っているように見受けられるのですね。

 

 予算の根拠が減少している以上は、優先順位の低いと思われる事業に予算をつけるべきではないという認識が必要でしょう。
 しかしそうした認識が不足していることで、各省庁においては自省庁の省益を過剰に追求し、各省庁の部分最適を目指すことになっています。その結果、国民への奉仕という全体最適が損なわれるという状況になっているわけです。

 

 過剰な省益追求は、以上のような社会的な背景のもと抑えられるべきで、それによって予算の増加を抑えるようにするのが望ましいと考えられるのです。

 
 次回は、過剰な省益追求が生じる具体的な場面について見ていきたいと思います。

 

自治体の予算要求 考え方・つくり方

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