社会を変化させる社会心理論・組織心理論の考察記

行政職員の筆者による、社会を変化させるような社会心理論、組織心理論がいかなるものか、その考察内容を綴ったブログです。

平たく解説・公務員心理 「予算の使い切り」その1

 [今回の心理場面]
 市民A:なぜ、行政組織では予算を使い切るばかりなのだろう? 無駄遣いを生む上に、0円になるよう調整するなんて事務量も半端ではなさそうだ…。

 

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  行政組織に関する大きな疑問として、予算の使い切りを行うことが前提になっている、ということがあるのではないでしょうか? そのために年度末に駆け込み執行を行っている、というのもよく聞かれる話となっています。


 予算が余ったなら、次に繰り越して使っていけばよいはずというのが単純な理屈なのですが、なぜ行政組織ではそうならないのでしょうか? その原因となる心理について検証していきたいと思います。

 

 まず、予算の使い切りが行われるのは、単年度会計が原因なので複数年度会計にすればよい、単年度会計を取り入れているのは日本くらいなのでは、という話もあります。しかし単年度会計は実際に諸外国でも取り入れられているものであるため、これが原因なのではなさそうですね。

 

 日本の行政組織においては、単年度会計に基づいて、予算が余ることに否定的な目を向けられ、繰越を行うことを難しくさせるような心理が生じているように見受けられるのです。この心理が原因となって、予算の使い切りが頻繁に行われているのではないかと考えられるところなのです。

 

 また、この使い切りというのが、1円単位で、残額が0円になるように行われています。
 そのため、主に年度末に無駄な予算が使われるという大きな弊害と、加えて予算を使い切るための\細かい調整が必要になることで、事務作業量が膨大になる\という弊害も生じるわけですね。

 

 予算の使い切りは予算の非効率な執行の典型的なものであり、言うまでもなく行政組織の大きな問題点となります。

 
 予算を使い切ってしまう心理について、次回はその原因をより具体的に見ていきたいと思います。

 

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