平たく解説・公務員心理 「上位機関と下位機関の壁」その7
[今回の心理場面]
下位機関A:上位機関に何か訴えたいときに、その話を聞いてくれる窓口があったらいいのに…。
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上位機関がさながら主従関係を求めること、下位機関が強い事なかれ主義を持つこと、これら双方の意識を改善することに加えて、そのための制度としてお互いの間に窓口を十分に設けることも重要なのかと考えられます。
しかし、下位機関が上位機関に対して、実際に改革を直訴しようとするときに、上位機関はその直訴を受ける窓口をほとんど用意していないことが問題となります。
上位機関自身において自浄作用を働かせるための専用の窓口を用意していれば、ここに通報して要望を訴えることができそうです。しかし、そうした窓口が用意されていることがほとんどないために、下位機関での強い事なかれ主義が生じることにもなるわけですね。
下位機関から合理的な要望を伝える筋道を作るためには、やはり上位機関が自発的に自浄作用を働かせるための窓口を設け、目安箱のような形にすることが望まれるでしょう。
上位機関と下位機関の両者で感覚をすり合わせていき、効率的で合理的な行政運営を行う上で、この窓口は必須であると考えられるところです。
「上位機関と下位機関の壁」の項は以上となります。次回からは「予算の使い切り」について述べていきたいと思います。
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