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社会を変化させる社会心理論・組織心理論の考察記

行政職員の筆者による、社会を変化させるような社会心理論、組織心理論がいかなるものか、その考察内容を綴ったブログです。

平たく解説・公務員心理 「上位機関と下位機関の壁」その4

 [今回の心理場面]
 上位機関A:下位機関と管轄が重複していても、こちらが権限を手放す気はないぞ。

 

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  「二重行政」の弊害は、行政組織における課題として長らく取り上げられているものです。そしてこの原因も、上位機関と下位機関の壁にあると考えられるのです。

 

2.二重行政
 上位機関と下位機関の間においては、上位機関が権限を離さないという意味で、仕事の奪い合いでの縦割り意識と同様の理屈が生じると言えそうです。

 

 上位機関と下位機関の間では、業務の線引きがあいまいなところに、協力的に主担当と副担当の割り振りが定められていることがあまりありません。そこへ、しばしば無理な線引きを行うことで、不自然な分担が取られているように見受けられる、ということですね。

 

 そしてもちろんのこと、無理な線引きを行う部分では業務の重複が生じるわけです。このことが、二重行政の問題として指摘されるような、上位機関と下位機関が類似した業務を行っているという状況を指すのだと考えられるのです。

 

 ここで、類似した業務を統合することになると、上位機関の所管が狭められる恐れがあるために、上位機関は下位機関と協力することを拒否しようとするわけですね。
 業務を統合して上位機関を主担当、下位機関を副担当として協力して業務に取り組んでいければそれが望ましいのですが、この状況においてはそうしたことが阻害されてしまいます。

 

 このような意識が生じる具体的な例として、道路整備の問題について述べてみたいと思います。
 道路整備に関しては、国道であれば国、県道であれば県、市道であれば市、と所管が分かれることが基本となっています。

 

 そしてこの中で、「市役所」が市民から「国道」の異状を訴えられたとしても、市役所の権限では容易に手をつけることができない、といった弊害が生じるわけですね。
 このような状況に対し、市民としては「同じような場所にある同じような道路なのに、市役所がなぜ素早く対応できないのか」と不満を抱えるという話もよく聞くものです。

 
 説明が長くなるので、「二重行政」の改善へ向けた望ましい姿勢については、続けて次回で述べていきます。

 

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