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社会を変化させる社会心理論・組織心理論の考察記

行政職員の筆者による、社会を変化させるような社会心理論、組織心理論がいかなるものか、その考察内容を綴ったブログです。

平たく解説・公務員心理 「上位機関と下位機関の壁」その2

 [今回の心理場面]
 下位機関A:通達を出すのはいいけど、行間があるから判断に迷うばかりだ…。その割にうちの解釈へ後から口出ししたりするし…。

 

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  上位機関と下位機関の壁による弊害の代表的なものとして、「行間の発生」「二重行政」の2点を挙げてみたいと思います。

 

1.行間の発生
 上位機関が、関係者から責められるのを恐れる心理を持つことですが、このことが端的に表れているのが、法律を始めとした上位機関からの通達にしばしば「行間」が発生している、ということです。


 上位機関としては、下位機関に対する通達の中で不具合があったときに自らが責められたくないために、明言を避ける部分が出てくることで行間が発生するのですね。

 そして行間があることで、その解釈をめぐっての問題が生じるわけです。

 下位機関としては、通達を拡大解釈してよいのかどうか迷ってしまうことになるのです。しかし、通達を拡大解釈すると上位機関から、「勝手な判断をするな」と追って異議を唱えられる恐れがあります。

 そのため、下位機関としては現場の実情に合わせて柔軟に対応したいのに、うかつに行動が取れないということになってしまうわけですね。

 

 このことで、上位機関は現場の実情に対応できない通達を一方的に出していて、下位機関としては現場の実情に合わせた柔軟な対応ができずに苦慮している、という構図が成り立ちます。

 

 また、下位機関としては行間の解釈をめぐって、そのつど上位機関の見解を問い合わせる必要が生じることで、業務量の増大を招くこともあるでしょう。
 しかし、下位機関が行間の解釈について上位機関に問い合わせを行った場合でも、上位機関はあくまで行間を守るために、たびたび不明瞭な回答を行うことになります。さらには、上位機関の担当者によって言っていることが変わる、といった事態も起こりうるわけです。

 
 説明が長くなりますので、「行間の発生」の改善へ向けた望ましい姿勢については、次回で述べていきます。

 

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