平たく解説・公務員心理 「公務員の異動」その2
[今回の心理場面]
役人A:異動が多くて、業務の知識を十分身につける時間がないよ…。ある程度身につけたと思ったらまた異動だし。
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行政組織で異動が多いことに関しては、「専門知識の不足」「責任逃れ」の2つのデメリットを生むと分類できるかと思います。以下、その詳細を見ていきましょう。
1.専門知識の不足
行政組織では異動が多く、構成員は長くて3、4年、短いと半年といったサイクルで異動を行っていくことになっています。
ただ、組織の業務へ習熟して専門知識を深めようとしていけば、1つの分野で5年や10年、ものによっては生涯労働分にあたるほどの業務量を要するものではないでしょうか?
しかし、公務員はその生涯労働において、数多くの分野に手を出すように求められることが一般的となっており、それが行政組織における慣習となっています。
そのことが原因となり、個々の公務員は各々の分野について、およそ表面的な知識を得るのみに止まることになるわけです。
専門知識が身につかないことの弊害としては、行政課題へ深い考察でもって取り組むのが難しくなる、ということにつながりますよね。
「責任逃れ」の弊害は説明が長くなるので、続けて次回で述べていきます。
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