社会を変化させる社会心理論・組織心理論の考察記

行政職員の筆者による、社会を変化させるような社会心理論、組織心理論がいかなるものか、その考察内容を綴ったブログです。

平たく解説・公務員心理 「自己意義の増殖」その3

 [今回の心理場面]
 役人A:無駄な仕事を作り出しても仕方ないし、ゆっくり仕事をすることにして様子を見よう。それで組織再編が行われればいいだろう。

 

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  パーキンソンの法則から、雇用の流動化が容易なものでなく雇用人員を維持しなければならないなら、業務量の減少に対して、処理速度を落として労働時間を埋めるほうが望ましいということを考えたいと思います。

 

 やはり、無理に仕事を作り出すというのは、意義の感じられないことに時間を取らせるという意味で、構成員の精神面において不適切なのではないでしょうか?
 そのため、業務量の減少に対しては、まずは処理速度を落として業務に取り組むことを第一とするのが望ましいと考えられるのです。

 そして、処理速度を落として業務に取り組むことを続けるだけではいけないので、その上で、業務量に応じた部署の再編、雇用の流動化が行われるのを待つ、ということが求められるところでしょう。

 

 弊害として述べた各省庁における特別会計や、各省庁が設置する外郭団体などに関してもそうですね。

 業務量が減少する、役割が減少するといった状態に対して、無理に業務を作り出して存続意義を確保しようとするのではなく、業務のスピードを落とすことで臨み、予算や組織の再編を待つことが望ましいのだと思います。

 

 ただ、予算や組織の再編には利害関係者の既得権益の問題も大きく関わってくるため、一口にその再編を待つ、というのも容易なものでないかもしれません。政治的な取り組みを仰ぐほかない、という現状が存在したりもするわけです。
 そうした困難は伴いますが、行政組織の人間としては、まずは業務量の減少に対して無駄な業務を作り出すという状況は改めるようにして、処理速度を落とすことを第一に意識していくことの重要性が強調されるところです。

 
 「自己意義の増殖」の項は以上となります。次回からは「公務員の異動」について述べていきたいと思います。

 


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外郭団体・公営企業の改革 (自治体経営改革シリーズ)

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