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社会を変化させる社会心理論・組織心理論の考察記

行政職員の筆者による、社会を変化させるような社会心理論、組織心理論がいかなるものか、その考察内容を綴ったブログです。

平たく解説・公務員心理 「自己意義の増殖」その2

 [今回の心理場面]
 (仕事が減ってきた現状に対して)
 部署A:業務の処理速度を落とすか、無駄な仕事を作り出すか、だが…どうしよう?

 

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 前回内容で提起した自己意義の増殖については、「パーキンソンの法則」において指摘されている内容に通じるものがあるように思われます。

 

 パーキンソンの法則においては、「仕事量が相対的に少ないときでも、仕事はその完成のために与えられた時間を全て満たすように行われる」ということが指摘されています。
 ここには、以下2つの示唆があるのではないかと考えています。

 

 (1)仕事の処理速度を落とすことで与えられた時間を全て満たすようにする
 (2)仕事を無理に作り出すことで与えられた時間を全て満たすようにする

 

 こうした理屈となりますが、いかがでしょうか? この理屈について、さらに数字を入れ込んでみることで、具体的な把握を試みたいと思います。

 

 当初、組織の仕事の総量が100あったとして、10人を雇用して1人10の仕事量を任せており、各々は1時間に1の量を処理して10時間働くものとします。
 しかし状況が変わって仕事の総量が80に減少したとしたら、そのときにどのような姿勢を取るか、ということが重要となるわけです。

 

 理想としては、雇用する人を8人に減らし、1人10の仕事量を維持することでしょう。
 ただ、雇用を流動化させることはやはり容易なものではありません。なので現実的には、10人の雇用を維持することが基本となりそうです。
 10人の雇用を維持する場合は、1人当たりの仕事量が8ということになりますね。

 このとき、パーキンソンの法則に従えば、1時間に1処理する処理速度を維持して労働時間を8時間にする、という選択肢はあり得ないというわけです。

 

 二者択一として、処理速度を1時間当たり0.8に落として10時間労働を維持するか、処理速度はそのままに、無理に2の仕事を作り出して仕事量を10として、10時間労働を維持するか、いずれかの消極的な選択が行われる…となるのですね。

 そしてこの後者の選択肢、「無理に2の仕事量を作り出す」ということが、自己意義の増殖の心理にあたるものと考えられそうなのです。

 


 このパーキンソンの法則の考え方から、業務量の減少に対する望ましい意識が導けるものとして、次回にて述べたいと思います。

 

パーキンソンの法則 (至誠堂選書)

パーキンソンの法則 (至誠堂選書)