平たく解説・公務員心理 「割り振り争い」その6
[今回の心理場面]
部署A,B:どちらが担当であるとも言えるなら、強引にでも線引きして分担しましょうか。
----------
前回の内容が、割り振り争いでの望ましい割り振り方として考えられるのですが、割り振り方として望ましくないものについても検討してみたいと思います。
この望ましくない割り振り方は、「縦割り」を生む原因ともなるものです。
2.無理な線引きによる分担
割り振り争いは線引きがあいまいな業務について生じるものですが、割り振り争いの生じている業務に対して無理に線引きを行い、両部署に分担をさせる形で対応しようとするような、そんな心理に傾くことも組織にはないでしょうか?
そしてなぜこのような心理が生じるのかと考えると、既存の部署に対して、業務量が均等になるように割り振ろうという意識があるから、と言えそうです。
しかし、そうした業務へ無理に線引きをしようとしても、そもそも業務自体が線引きを曖昧にさせるものであるため、うまく線引きできないことは避けられないでしょう。
さらに、そのうまく線引きができていない箇所に関しては、部署間で業務の重複が生じることが想定されます。そのため、必然的に両部署の間で軋轢が生じることになるわけです。
そして、無理な線引きによって両部署の軋轢、非協力関係が生じている業務に関しては、当該部署の外から見るとそれは不自然なものに映り、その不自然な非協力関係に固執することが、いわゆる「縦割り」の現象につながるわけですね。
そのため、割り振り争いに対しては、無理に線引きを行って分担をさせて対応するのではなく、1.で述べたように、仕事の押し付け合いであれば片方の部署に担当をまとめること、仕事の奪い合いであれば主担当と副担当に分けて担当させること、それらがやはり重要なのだと考えられるのです。
次回は、妥協的に割り振り争いの解決を図る前段階の心構えとして、「仮に受ける」ということを述べておきたいと思います。
不機嫌な職場~なぜ社員同士で協力できないのか (講談社現代新書)
- 作者: 河合太介,高橋克徳,永田稔,渡部幹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/01/18
- メディア: 新書
- 購入: 17人 クリック: 333回
- この商品を含むブログ (210件) を見る