平たく解説・公務員心理 「割り振り争い」その3
[今回の心理場面]
部署A,B:このような仕事はどちらが担当であるとも言えるし、お互いに持ち回って対応していきましょう。
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割り振り争いを改善するための考え方としては、まずは構成員の個々が、属性の衝突へ「割り切り」の気持ちを持つことが必要なのではないでしょうか。
属性の衝突に対しては、合理的な解決案がないために、ある程度非合理的な解決案であっても仕方ない、という割り切りの気持ちを持つことが有効だと思われるところです。
これは思考を放棄せよ、ということでは決してありません。二つの属性が組み合うという物事の道理を受け入れよ、という考え方なのです。
そのある程度非合理的な解決案について、まずは当該部署のみだけで完結するものとして、お互い様の協力的な姿勢を示すことを挙げたいと思います。
これは、線引きがあいまいな業務について割り振り争いを行っている当事者間で、片方が「今回の案件はこちらが受けるから、次回の案件が生じたときはそちらでお願いします」といった妥協を進んで行うこととなります。お互いに持ち回って業務を引き受けるというわけですね。
行政組織では割り振り争いで一度自分が受ければ、今後際限なく押し付けられてしまうのではないか、受けたら負けだ、という感情的な思考にさえ及ぶこともあります。
そこへこうした協力的な姿勢を進んで打ち出すことは、割り振り争いを軽減させるための理想的な手段ではないかと考えられないでしょうか?
次回は、割り振り争いを解決するさらなる考え方として、第三者の部署による仲裁を図ることを述べていきたいと思います。
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