社会を変化させる社会心理論・組織心理論の考察記

行政職員の筆者による、社会を変化させるような社会心理論、組織心理論がいかなるものか、その考察内容を綴ったブログです。

平たく解説・公務員心理 「割り振り争い」その1

 [今回の心理場面]
 部署A,B:お互いに担当する理由がありそうなら、とにかくうちはこの仕事を受けるつもりはない。
 役人C:(こんな議論にどれだけの時間をかけてるんだよ…)

 

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  組織においては、組織で担当する全体の業務について細分化を行い、各担当の部署を設定し各部署へ割り振ることで、分担して業務が行われます。
しかしこの割り振りを考える際に、該当の部署が2つ挙がってしまって、どちらが担当すべきかが悩ましいような業務もたびたび現れないでしょうか?
 こうした業務は、どちらの部署も積極的に関与しようとしないことが多く、これがいわゆる「担当の隙間」に落ちる業務となるわけですね。

 

 その取扱いはどの組織でも難しいものです。ただ行政組織においては、「仕事を増やしたくない」意識が根強く存在するため、こうした担当の隙間の業務について、どちらが担当するかの割り振り争いがしばしば行われ、容易に解決できないという事態が生じています。これもゆゆしい話です。

 

 担当の線引きが曖昧な仕事を一度受けてしまえば、自分の担当として固定されてしまって仕事が増える…と考えてしまうようであり、割り振りの決定に非常に慎重になってしまうことになるわけです。その結果として、全く解決の糸口が探れないような不毛な議論が延々と続けられることも生じるのですね。
 当然ながらこうした不毛な議論の時間も公務員の業務時間に含まれることになるため、このような時間に対しても人件費として税金が回っていることを考えれば、このような時間を発生させることは避けるべきでしょう。

 

 また、割り振り争いが行政組織内だけの問題に止まらず、一般の市民が被害を受ける可能性もあります。
 例えば、市役所の窓口において、市民から線引きの曖昧な業務が持ち込まれるとします。このときに、窓口で受けた部署が割り振り争いの意識を前面に出してしまうと、とにかく「これはうちの仕事ではない」と紋切り型の対応で断ってしまうわけですね。
 その結果、その場しのぎの気持ちで市民が他部署を案内され続けてしまうような、いわゆる「たらい回し」が生じるという話になります。

 
 こうした割り振り争いについて、その原因となる概念を「属性の衝突」という言葉で提起するとして、次回で述べたいと思います。