社会を変化させる社会心理論・組織心理論の考察記

行政職員の筆者による、社会を変化させるような社会心理論、組織心理論がいかなるものか、その考察内容を綴ったブログです。

平たく解説・公務員心理 「念のため」その3

 [今回の心理場面]

 上司A:文章のここを直しておくように。 

 部下B:(こんなどうでもいいところを直す意味があるのだろうか…修正する手間が無駄では?)

 

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 念のための意識による弊害のうち、行政組織の芯に巣食うものとして、「過剰な信憑性」を追求する心理というものがあります。そしてこれは行政組織において、最大の弊害と言ってよいものです。

 

 組織業務においては、書類、資料の作成や保存が何事にも基本であると言えます。行政組織では、ここに「過剰な信憑性」を追求する心理が根強く現れることになります。
 これがどういうことかの説明として、以下、具体的な現象を羅列して見てみましょう。

 

1.文書での過剰なミス回避
 資料作成については、資料を手に取る関係者から文句を言われないようにすること、それを第一に考えますよね。そのために、信憑性を追求する意識が働くことになるわけです。

 しかし、行政組織ではその程度が過ぎることがよく生じます。すると、文書に全くミスがないことを目指して過剰にチェックを行うことや、あるいは文書の体裁に過剰にこだわり、よく言われる「てにをは」にまでこだわるようなことが行われてしまいます。

 

 資料内容については、文書の本質的なところで誤りがあるといったミスは大きなものになるでしょう。なので、このようなミスが出てくることはもちろん避けなければなりません。
 しかし、「大勢に影響を及ぼさないような」ミスであれば、必要以上に気にするものではない、ということが逆に言えはしないでしょうか?


 もしそうした小さなミスに対して非難を受けたとしても、そのような非難は感情的で合理性のないものと受け取れます。なので、そうした非難に対してはその場で弁解して受け流せばよく、責任まで感じる必要はないとは言えないでしょうか?

 

 一度でなるべく網羅的な内容を作成することを目指すのは必要でしょう。しかし、小さなミスもないような完全な内容を一度に作成しようとするのは、業務量を膨大にしてしまうために適切でないものと言えそうです。

 
 次回も続けて、「過剰な信憑性」を追求する心理の具体的な弊害を述べていきます。

 

「感情的」にならない技術

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