社会を変化させる社会心理論・組織心理論の考察記

行政職員の筆者による、社会を変化させるような社会心理論、組織心理論がいかなるものか、その考察内容を綴ったブログです。

平たく解説・公務員心理 「公務員の消極性」その4

 [今回の心理場面]

 上司A:問題を大ごとにするなって、わだかまりが起きるから。これは放っておいたらいいんだ。

 部下B:(問題を改めるのに多少のわだかまりは仕方ないと思うけど・・) 

 

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 公務員の持つ責められたくない心理からは、以下のような弊害が生まれると考えらます。

 

4.事なかれ主義
 従来のやり方に不具合が生じていても、それを否定して新しいやり方を考えることで生じる不和、わだかまりを必要以上に恐れて、改善の機運を抑えつけてしまうことで、従来のやり方を維持しようとすること。

 

5.念のための意識
 責められることを恐れる心理から、自身の業務内容について誰にも文句を言われないようにするため、厳密さが過ぎる、大勢に影響がない、堅苦しい、といったようなことにこだわってしまい、いたずらに業務量を増やすこと。

 

6.前例主義
 前例主義は、まず前例にのっとって業務を処理していれば、新たなやり方を考えなくて済むという、仕事を増やしたくない心理を表してます。
 しかし大きな問題となるのは、新たな業務課題に対応する際に、似た前例を探してそれをベースにすれば間違いがなく、責められる恐れが軽減すると考えることでしょう。

 この場合、昔の似た前例ではどうなっていたかを細部まで確認しようとして手間がかかること、あるいは昔の似た前例を探し出してくること自体に手間がかかってしまう、といったことがあるわけですね。


 行政組織は安定的に業務を遂行することが求められる、というのはもちろんのことです。そのために、前例を確認して整合性を考えるということなのでしょうが、それでも前例の確認に時間が取られすぎてしまう、というのは大きな弊害ではないでしょうか?

 前例にあまり囚われず一から検討することにも時間はかかるものですが、前例に囚われすぎることで、一から検討するよりもさらに多くの時間を要する、ということもしばしば生じるのではと思うところです。


 消極的な姿勢は以上のような弊害を生じさせるものですが、次回はその改善案を考えていきます。

 

前例がない。だからやる! (講談社プラスアルファ文庫)

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