社会的な心理考察記

社会に働く心理について考察したブログです。

「マッチポンプ」論

前回の言わなくてもわかるだろう論に続き、対人心理についての考察を。

マッチポンプとは、自分でこっそり問題を起こしておきながら、その解決役に名乗り出ることで周りからの感謝を得ようとする行動のことを指している。 マッチで火をつけて自分からポンプで水をかける、という具合に。

この構図が対人心理でも表れているなあと思うのが、相手に何かしてもらう際に「相手に十分な指示を与えずに困惑させ、相手が困り果てたところで初めて十分な指示を与えて、相手からの感謝の気持ちを引き出そうとする心理」が社会、組織においては存在しているということ。

ただここで、「教育」の構図に目を向けてみる。すると教育においては、指示の伝達について「十分な指示を与えず自分で考えてもらう」という心理が存在している。

そうした構図があるために、対人関係で十分な指示を与えられなかったという状況において、十分な指示を与えられないことは教育の意図によるもの、と捉えてしまって、それ以上の指示を簡単に仰いではいけないと考えて抱え込んでしまう、性格的にそうなってしまう人がいる。いつまで年を取っても。

もちろん性格によっては、指示が十分でないのだからそれ以上の指示を仰げばよい、と簡単に考えられる人もいるわけで、基本的にはこう考えるのが正しいだろう。 新人社員や若者がこう簡単に考えるのは問題かもしれないけども、社会や組織においては若者でない人のほうが多数派なわけで、ある程度経験を積んだ多数の人にとっては、そのように簡単に考えても問題ないのではなかろうかと。

まとめると、「新人社員や若者でないならば、十分な指示を受けられていないと感じれば教育の意図などは考慮せず、それ以上の指示を簡単に仰げばよい」となる。

そう考えることで、相手が困り果ててから十分な指示を与えて感謝を引き出そうとする、マッチポンプ的な心理を入り込ませないように努めたいものである。