読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

社会を変化させる社会心理論・組織心理論の考察記

行政職員の筆者による、社会を変化させるような社会心理論、組織心理論がいかなるものか、その考察内容を綴ったブログです。

特許権の帰属について

今回のノーベル物理学賞受賞者のうちの中村修二氏が10年ほど前に、在籍していた企業と発明の特許権をめぐって争ったことがあった。 そして安倍政権の動きとして、社員の発明は企業に特許権が帰属する、という制度を運用する流れとなっている。

このことについて思うことを。

企業に特許権が帰属する考えの根拠は、企業が社員に給与を与えて研究環境の整備も行っているから、その状況で社員が発明をしたのなら、その権利は企業のものでしょう、という理屈。 ただこれは社員のものか企業のものかという二元論の話でなく、程度問題なのではないだろうか。 社員が一方的に権利を主張すれば、企業が研究環境を整えたのは無視か、という話になり、企業が一方的に権利を主張すれば、社員の閃きや努力は無視か、という話になる。 そのため、どちらにどれだけの権利を認めるかという、法による線引きが必要なのかと。

ここで考えるのは、企業が社員に与えているのは「一定の」給与や研究環境であり、発明に伴う利益がこの額を明白に上回る場合は、その特許権を企業が独り占めするというのはどうにも正しいこととは思えず…。 この権利の線引きとしては、企業が社員へ投資した分は企業に権利が帰属し、発明の利益がその投資額を上回る分は社員に権利が帰属する、というのが正しいのだと思う。

そしてその上回る分の差額、社員に権利が帰属する分を、企業が対価を支払ってその分の権利を買い取ると。あるいは島津製作所の田中氏のように、相応の地位があてがわれるという形も考えられる。

社員の権利が一方的に主張されるのは適切でないにしても、やはりこうした差額の考え方を導入しないと、研究者や技術者のモチベーションを損ねてしまうのは危惧されるべきことなのかと。

広告を非表示にする