社会的な心理考察記

社会に働く心理について考察したブログです。

やりがいの買い叩きについて

 やりがいがあって仕事をしている人に、使用者がその給与を削ろうとする心理について。

 

 やりがいのある仕事はいわゆる天職と言われるように、やりがいがありながらお金も稼げるという、人間であれば誰しもが目指したい、目指すべきところのものとなる。

 しかし、こうした天職という概念があるにもかかわらず冒頭で述べたような、やりがいがあることをダシに 「やりがいがあるんだから、給与は少なくてもいいよね」と使用者が迫るような心理が、一部に生じている模様。

 

 某アイドルグループにおいても、地方のグループなどであれば「歌って踊って舞台に立つ経験ができてるんだから、給与は少なくてもいいよね」という理屈が取られ、なんと驚くことに、最低賃金以下の給与しかもらっていないという。

  地方のグループでも全国的な人気、売り上げにより多額のお金を動かしているわけであり、それで先生と呼ばれる使用者がその大半をせしめて、当人には雀の涙ほどの給与しか支給されていないというなんとも不条理な事態につながっているとか。 

 

 こんな理屈が取られてしまえば、天職という概念は否定され、やりがいのある仕事に就けば給与が削られる恐れがある、ということでそうした華やかな仕事が敬遠されるようになり、社会が無味乾燥としたものになってしまうということが危惧される。

 

 やはり、やりがいのある仕事であっても、少なくとも標準的な水準は確保するような給与が支給されるべきであり、使用者が長時間労働の強制にも似た、こうした横暴な理屈を取ることは控えていくべきであると思われる。