社会的な心理考察記

社会に働く心理について考察したブログです。

マスコミの個別事故報道について

 お盆、正月などの時期になると特にそうであるが、帰省時の車の交通事故や、あるいは通常の時期でも個人宅での火災発生など、個別の事故について報道がなされる。 そしてこうした事故は、その原因が個人に帰する要素が強いために、諸外国ではあまり報道されないという話を聞く。(サンプルは少ないがひとまず英米がそうだと。) 個人的な要因の強い事故については、報道しても社会的な意義を見出せないという理屈のようである。

 自身としても、確かにその通りであり個人的な要因の強い事故をいちいち報道しているとはマスコミも暇なものだ、こうした事故を報道することでもっと優先して社会的に報じるべきニュースが揉み消されてはしまわないか、といった懸念を抱いていた。

ただ、改めて考え直してみると、個人的な要因の強い事故であってもそれを報じることで、交通事故や火災の絶対的な危険性について、国民の全体に対して危機意識を発揚させるという意図が見えるとも言えるのかもしれない、とも思いつき。。

 こうした意図があるならばマスコミのおせっかいとも言えそうであるが、交通事故や火災はその経験がなければ甘い見通しを持ってしまうもので、しかし実際の経験者にとっては、それを絶対的に回避しようとすることが善であり決して甘い見通しを持ってはいけない、という意識を持っているので、マスコミによって定期的に注意喚起を受けることは必要なこと、というように考えているのかもしれない。 となるとマスコミはおせっかいのつもりではなく、被害者の危機意識を広く発揚するために、こうした個別の事故を報道しているのかもしれない、と考えたところであるが、皆さんの見解はいかがだろうか。。